ここでは、ブログ内で解説するワークシート関数についての予習編として、Excelのワークシート関数の使い方の基本を解説いたします。
 
Q.Excelの基本操作について教えてください。
A.はい。

Excelの起動、文字の入力、ブックの保存など最低限のことはインターネットや市販のExcelの教則本に書いてありますので、割愛させていただきます。
テキストでは、Excelの操作を関数の書き方から解説していこうと思います。

Q.ワークシート関数とは何ですか?
A.よく使用される計算などを自動的に行えるよう最初からExcelに登録されている命令のことです。

Q.システムを構築する上で、よく使われる関数を教えてください。
A.次の12種類だけでシステム構築、システムトレードをするには困りません。
 
【使用例】は、付録ブックフォルダのブック「Excelのワークシート関数入門」のシート「関数の基本」を参照してください。

if
【書き方】IF'論理式,真の場合,偽の場合( 【意味】論理式は、等号、不等号を含む数式で表します。「論理式で表した式が真の場合は、~と返す、偽の場合は~と返す」という命令文です。システムの検証では、最もよく使われる関数と言えます。
 
【使用例】 =IF(D2>E2,1,0)
引数のD2がE2より大きかった場合、「1」を返す。
 
and
【書き方】AND'論理式,論理式,・・・( 【意味】複数の論理式を扱う際に用いる関数です。Ifと組み合わせ、「~かつ、~であるとき、Aを返す、偽である場合、Bを返す」といった使い方をします。
 
【使用例】 =IF(AND(D2>0,E2>0),1,0)
引数のD2とE2の両方が0より大きかった場合、「1」を返す。
 
or
【書き方】OR'論理式,論理式,・・・( 【意味】複数の論理式を扱う際に用いる関数です。Ifと組み合わせ、「~であるか、もしくは、~であるとき、Aを返す、偽である場合、Bを返す」といった使い方をします。
 
【使用例】 =IF(OR(D2>0,E2>0),1,0)
引数のD2とE2のどちらかが0より大きかった場合、「1」を返す。
 
sum
【書き方】SUM(引数( 【意味】SUMは'(の中で指定した範囲'引数という(の中のセルの値の合計を返す関数です。
 
【使用例】 =SUM(D2:E2)
引数のD2とE2の合計を返す。
 
sumif
【書き方】SUMIF(引数,検索条件( 【意味】SUMIFは、検索条件で指定した条件にあうセルの合計を返す関数です。
 
【使用例】 =SUMIF(D2:E2,">0")
引数のD2とE2の中にある0より大きい数の合計を返す。
 
countif
【書き方】COUNTIF(引数,検索条件( 【意味】COUNTIFは、検索条件で指定した条件にあうセルの数を返す関数です。
 
【使用例】 =COUNTIF(D2:E2,">0")
引数のD2とE2の中にある0より大きい数の入っているセルの数を返す。
 
average
【書き方】AVERAGE(引数( 【意味】AVERAGEは引数で指定した範囲のセルの平均値を返す関数です。
 
【使用例】=AVERAGE(D2:E2)
引数のD2とE2の平均値を返す。
 
offset
【書き方】OFFSET(基準,行数,列数) 【意味】少々わかりにくい関数です。基準セルを、行数、列数で指定した数だけずらした範囲を返します。
 
【使用例】 =OFFSET(E2,0,-1) 
引数のE2を基準とし、1列戻ったセルにある数を返す。
 
min
【書き方】MIN(引数) 【意味】MINは、指定した範囲の中で、最小の値を返す関数です。
 
【使用例】 =MIN(D2:E2)
引数のD2とE2の中の最小値を返す。
 
max
【書き方】MAX(引数) 【意味】MAXは、指定した範囲の中で、最大の値を返す関数です。
 
【使用例】=MAX(D2:E2)
引数のD2とE2の中の最大値を返す。
 
abs
【書き方】abs(引数) 【意味】absは、引数の絶対値を返す関数です。
 
【使用例】=ABS(D2)
引数のD2の絶対値を返す。
 
round
【書き方】round(引数,桁数) 【意味】roundは、引数を指定した桁数で四捨五入した値を返す関数です。
 
【使用例】=ROUND(D2,0)
引数のD2を1の位で四捨五入した値を返す。
 
rounddown
【書き方】rounddown(引数,桁数) 【意味】rounddownは、引数の指定した桁数以下を切り捨てた値を返す関数です。
 
【使用例】=ROUNDDOWN(D2,0)
引数のD2の小数点以下を切り捨てる。
 
Q.絶対参照、相対参照とは何ですか?
A.セル参照の仕方の違いです。
相対参照は、書き込んだ関数の参照先となるセルの位置が相対的に変化します。
絶対参照は、参照するセルの位置が固定されます。
 
ブック「Excelワークシート関数入門」のシート「参照の形式 step1」をご覧ください。
これは日経225の日足データです。
 
このデータで絶対参照と相対参照の違いを解説します。
セルF15に次のように書き込みます。
=MAX(C12:C15)
この関数が意味するのは、
C12~C15のセルの最大値を返す。
ということです。
 
次にセルG5に3と書き込みます。
これは絶対参照にする値です。
セルG15に次のように書き込みます。
=MAX(OFFSET(C15,-$G$5+1,0):C15)
 
この関数が意味するのは、
MAX'OFFSET(C15,-$G$5+1,0):C15( C15から-G5+1だけずらしたセルとC15のセルの間

のセルの最大値を返す
ということです。
 
つまり、「G5」を「$G$5」と書くことで、G5に入力された数を絶対参照して変数とし、n日最高値を返すわけです。
次にシート「参照の形式 step2」をご覧ください。
 
これはstep1で書き込んだF15とG15を時系列データが入っている最終行までコピーしたものです。コピーをするときには、コピーしたいセルを選択し、そのセルの右下にマウスのカーソルを持ってくると、カーソルの形が「+」に変化するので、その位置でマウスをダブルクリックすると、時系列データが入っている最終行までコピーされます。
 
この状態で、セルF24をご覧ください。
 
関数が
=MAX(C21:C24)
となっています。
セルF15では
=MAX(C12:C15)
でしたが、コピーすると参照するセルが相対的にずれて変化しています。
 
これが相対参照です。
一方、セルG25は
=MAX( (C25,-$G$5+1,0):C25)
となっています。
-$G$5-1はセルをコピーしても変化していません。
これが絶対参照です。
このように関数を組みあわせるときには、相対参照と絶対参照を使い分ける必要があります。

Excelワークシート関数についての初歩的な解説は以上です。
 
本稿においては、これらのワークシート関数を組み合わせ、シートを構築していきますので、もし、途中でワークシート関数の説明で混乱してしまったら、この章を読み返してみてください。